旅行

「………」
静かな部屋。 その個室には、赤い髪をした大きい男が一人。 そして、浴衣姿で寝ている少女が一人いた。
「……(なんて格好してんだよ…)」
ここは温泉宿の部屋の中。 俺はに連れられて、ここに来たんだ。

*****

『ねえねえ宏海!』
『ああ?』
『温泉入りたくなあい?』
『温泉?なんだ?いきなり』
『商店街の福引きで当たったの!』

温泉旅行1泊2日の旅(二名様まで)

『でも悠や太臓には内緒だよ?』
は俺にそっと顔を近づけて、耳打ちをした。
そして3日後。 さっそく俺とは、チケットに書いてある宿へと向かった。 結構立派な宿。まさに「温泉」って感じだ。 部屋へ入るなり、は温泉に入ってくる!と言い残し、部屋を飛び出した。 俺は少し昼寝。目が覚めた時にも、まだの姿はなかった。 温泉好きなあいつのことだ。きっと長湯してるんだな…。 部屋にいても退屈だし。俺も風呂にいくことにした。

*****

部屋に戻って来ると、 そこには、だらしなくゴロリと横たわったがいた。 顔色からして、さっき戻ってきたばかりのようだ。 それはいいとして……

「無防備すぎだろ…」

思わず声に出てしまった。 何度も寝返りをうったのか、の浴衣は少しはだけ気味。 上は大丈夫そうだけど…下は危ない。 山折りに折り畳んだ足が、浴衣をすり抜け丸出しだ。 好きな女。しかもこんな光景を見て、平常心でいられる男はいないだろう。 何度もから目を逸らすが、どうしても気になってしまう。

白ぇ足してんな……

限界が近い。 じりじりとに近づいていく。 そっと頬に手を当ててみたが、起きる気配はない。 今度は足に触れてみる。 すると小さな声を漏らしながら、の体がピクリと動いた。
「ん…」
「…起きたか?」
「ぁ、ゴメン。ゴロゴロしてたら寝ちゃってた」
「………」
「宏海…?」
「……お前が悪ィーんだからな」
「ん?何が…、んん…っ!」
やや強引にの口を、自分ので塞ぐ。 最初は宏海を押し戻そうとしていた手も、次第に背中へと回る。 そっと口を離す。宏海は、そのまま首筋へと顔を埋めた。
「あ…ャッ…」
「んな格好して寝てんのが悪ィ!」
舌を這わせるたびに、甘い声が漏れる。 その声はしばらくの間続いたのであった。

今日、悠と太臓がいなくてホント良かった…。