一番

「(あと10分か…)」
ここは宏海宅。今日はがどうしても、泊まる!と聞かない ので、宏海の家に泊まることになった。もちろん太臓には内緒で。親には”温泉旅行”に 行ってもらったから、明日の夜までは帰ってこない。夕食を済ませ、風呂も終わった。そ ろそろ寝るか、とに聞いてみたが、顔を横に振る。
「ぅ、うん…まだ寝ない…」
「だってお前すげー眠そうだぞ?」
「平気…」
瞼を重そうに持ち上げ、前後 左右に揺れる頭に必死に堪える。その頭が、不意にテレビを見ていた宏海の肩にぶつか る。
「あ…ごめん」
「大丈夫か?無理しねーで寝ろって。俺は平気だから」
「ちがう…」
「え?」
ごそごそとポケットから携帯を取り出し、画面を見るなり は小さく笑った。
「ジャスト0時」
「??それがどうかしたか?」
「宏 海…」

お め で と う

「ぁ…」
「思い出した?誕生日」
そういえば今 さっき、0時になった時点で自分の誕生日がきたんだ。
「お前…このために眠いの我 慢してた のか?」
「うん…一番に祝いたくて」
照れ臭そうに笑うは、本当に可愛い。だ が、1番に祝うかとしか考えてなかったは、プレゼントのことをすっかり忘れていたら しい。それがすごくらしくて、宏海は思わず笑ってしまう。
「別にいいよ。んなも んわざわざ買わなくても」
「ダメだよ!せっかくの誕生日なんだから!」
「どう してもくれるっつーんなら…」
「あっ…」

が欲しい」

細い腕 を引き、自分の胸にを抱きすくめる。最初は驚いた様子のだったが、すぐに嬉しそう に笑い、宏海の背に腕を回す。
「私は高いよ?」
「上等じゃねーか」
「じゃ あ私の誕生日の時も、それ相応の物貰うからね」
「ほう、何が欲しいんだ?」
「宏海が欲しい」
二人はまた小さく笑った。