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「ついてこないでよっ!」 「だから誤解だって!」 暗い夜道を一人ですたすたと歩いて行くを必死に追い掛ける。 一体何に対して腹を立てているのかが、宏海にはわからなかった。 が怒って飛び出した後、何気なく悠に聞いてみた。 あいつ何であんな機嫌悪いんだ?と。 『さっきの現場を見て勘違いしたんだろう』 相変わらず鈍い奴だな、と大きな溜め息をつかれる。 そんなこと言われてもな…。 とりあえず悠の言う”さっき”を思い返してみた。 転びそうになった麻仁を受け止めようと腕を伸ばした。 なんとか転ばずには済んだが、麻仁に抱き着かれる。 『阿久津くん体格良いね!サイズも調度いいし』 おそらくジョジョのことだろう。 それにしても…身体触りすぎ。 恥ずかしくなって、やめろ、と 麻仁の手首を掴む。 そこへがやってきた。 ……… 最悪だ ここで初めてが不機嫌な理由がわかり、急いで追い掛けた。 そして今にいたる。 「あれは事故だったんだ!俺は別に…」 「もう!しつこいな!付いてこないでって……っ」 少しカッとなって、の手首を強く引く。そして顎に手を掛けた。 その顔は今にも崩れてしまいそうだった。 胸がイタイ。をこんな顔にさせたのは自分だ。 僅かに開かれた唇に舌を差し込み、背中を強く抱きしめる。 「んっ…」 普段なら も背中に腕を回してきたり、服を掴んだりするのに、今回はしてこなかった。 それがまたすごくイタイ。 「誤解だっつってんだろ…」 耳元で吐息混じりに囁き、耳たぶを甘噛みする。 「っ…、ごめ、…んなさい…」 「え…?」 突然俺の胸に飛び付いてきた。 「わかってる…宏海がそんなことするわけないって…」 声が震えてる。泣いてんのか…? 「でも…自分でも抑え、られなくて…」 そんな顔すんなよ…。 「私、…どうした…ら…っ」 小さく震える身体を、思い切り抱きしめた。 本当に人ってのは、ちょっとしたことで壊れちまう…。 「もういい」 「こ、み…」 「もういいから、泣くな…」 俺まで悲しくなるじゃねえか。 「どうだ?様子は」 「うまくいったようです」 物陰から現れたのは悠と太臓。 どうやら二人の様子を見ていたらしい。 「それにしても、王子にしては珍しいですね」 二人の邪魔をしないなんて。 「は…特別だから…好きな奴と幸せになってほしいんだ」 「…そうですか」 小さく笑い、悠は手に持っていたカメラのフィルムを取り出した。 「悠?」 「これはにとって良い物ではありませんからね」 ごみ箱にそれを放り投げ、その音だけが真っ暗な公園に響き渡った。 |