早朝散歩

「わぁ〜!だーれもいなーい!!」
久々に表へ出たは、まるで幼い子供のように走り回る。
早朝の公園にはまだ人の姿はなく、とても静かだ。
そんな楽しそうな
を、ランチアはベンチに座って眺めていた。
朝からあんな高テンションをよく保てるなと思いながら。
「ねえ!ランチアは遊ばないの?」
「遊ぶって…」
この年にもなって、公園で何をして遊ぶというのか。
ランチアは手を左右に動かしながら「オレはいい」と一言言った。
するとは、かまわず再び遊び回る。

*****

「らーんちあ!」
突然耳元で声がして、振り向くとそこにはの顔。
どうやら寝てしまっていたようだ。少々が膨れっ面をしている。
「もう〜!やっと起きた」
「あぁ…すまん」
「……」
「…?」
「キス」
「は?」
「キスしてくれたら許してあげる」
「なっ!?お前何を…」
寝起きでぼんやりとしていた脳が、一気に目を覚ます。
身体を擦り寄せてくる
に、ランチアは焦りを隠せない。
「ヘルシーランドじゃなかなかできないんだもん…」
それとも嫌?
不安げにランチアの顔を見上げる。
そんなを見て、胸がちりりとする。
「1回だけだぞ」
「うん」
優しく肩を抱く。引き寄せて、唇を重ねる。
あまり深くないそれでも、身体が熱くなる。
「ん…、ありがとう」
ちょっと照れ臭そうに笑いながら、ランチアに寄り掛かる。
小さく笑って、の頭を愛しそうに撫でる。
「満足か?」
「うん」
本当はもっともっと欲しいんだけどね。

END