約束

「忘れちゃいましたか?」
ほのかにピンク色に染まった頬に、ひやりとした手が触れ る。
忘れて…なんかない。

*****

数年前…
『ムクロさ ん!』
『どうしたんですか?
『わたしね!ムクロさんがだぁーいすき!!』
『すき?僕をですか?』
『うん!』
幼い子は正直だ。
思ったことをその まま言葉にすることができる。
『じゃあ、おとなになったら、僕のおよめさんになっ てくれますか?』
『なる!わたしムクロさんのおよめさんになる!』
片手をは い、はい、と高く挙げてはしゃぐ
『それじゃあ約束ですよ』

*****

「思いだしましたか?」
「最初から忘れてなんかないよ」
「おや、それ なら問題ありませんよね?」
細く長い指が顎へと掛けられ、上を向かされる。恥ずか しくてまともに骸を見ることができない。
瞳は潤み、顔はトマトのように真っ赤。子供な 時はあんなに普通に抱きついていたのに…。
「そんな顔されると虐 めたくなっちゃいますよ」
「……サディスト」
「クフフ」
唇が重なる。S発言してるけ ど、骸のキスはとても優しい。
だからそんな貴方から、私は離れることができない。