今日という日

私にはない。誕生日というものが。
私は幼いうちに両親に捨てられた孤児だ。
死ぬ寸前だったとこれを骸さんに拾われた。
あの時は残念だと思った。
このまま死んでしまえば楽になれたのに、と。
だけど今は生きててよかったって思う。
こんなに楽しく過ごせるなんて思わなかったもの。
すごく幸せ。

〜?」
「ん?」
「骸さんが呼んでるびょん」
「え?なんだろ…」
普段骸がいる部屋をそっと覗いてみた。
するとそこには、ボロボロになったソファーに腰掛ける骸の姿。
「あの…なんか用ですか?」
「ちょっとに渡したいものがありましてね」
ちょいちょいと手招きをする。
よくわかならいが近づいてみると、腕を出せと言われた。
左手を突き出すと、綺麗なブレスレットを着けられた。
「え…これ…?」
「プレゼントですよ」
「プレゼント?」
「今日はの誕生日ですよ」
「え?」
私に誕生日なんてない、と言おうとした時だった。
ふと今日の日付を思い出す。
そう、今日は…

私が骸さんに拾われた日。

「今まで祝ってあげられなくてすみません」
マフィアのことで手一杯で祝えなかったらしい。
でもそんなことどうでもいい。
現に今祝ってもらえたのだから。
「覚えてて…くれたんですね」
「当然じゃないですか」
目に涙を浮かべて小さく笑う。
そんなの頬を、骸は優しく撫でた。
「これからは毎年祝ってあげますよ」

END