異世界

「……」
「どした?ぼーっとして」
黙りこくった茂太郎を覗き込み、ドラクロワが声をかけた。
「俺達だけじゃ、なかったんだなって思って」
「…さっきのことか」


学校帰りのことだった。
仁露をさがして二人で校内をぶらぶらと歩き回っていた時、裏の方から物音がした。
気になって音のする方へ歩いていくと、そこには人影が二つ。
お互いを撫でるように触りながら、キスをしていた。
さらにその影には見覚えがあった。太臓と一緒にいた従者と実界人だった。


「あの赤髪のデカイ奴って、実界人なんだよな…」
どんなに好きになったって、一緒にいられるわけないのに…。
「バッカみたい」
「お前が人のこと言えんのか?」
「うっさいな!」
間界人と実界人が一緒になれないように、ロボットと間界人も…。
そんなことわかってるよ。だけど……

「関係ねーだろ」

突然バンと大きな音がしたと思ったら、茂太郎は壁に追い立てられていた。
茂太郎の顔の横に両手をつき、逃げ道を塞ぐ。
「ドラ…っ」
驚いて開きかけた口に、隙をつくように舌を差し込んだ。
「ん…っ」
茂太郎は抵抗する様子もなく、ドラクロワの首に腕を絡ませた。
だが、すぐに茂太郎の腕がドラクロワから離れ、顔を背けられた
「俺…はロボットだぞ…?」
「……」
「どんなに人間に見えたって、血の通ってないロボットだ」
「あぁ。知ってる」
「それじゃあなんで…」
「さっき言っただろ。関係ねーって」
「んッ…」
「ほら。ちゃんと感じてんじゃねーか」
服の裾から手を差し込み、ゆっくりと動かす。
胸を撫でるように動きながら、脇腹、腰へと手が動く。
「あったけーし、感情だってあんだろ」
手を止め、真剣な瞳で茂太郎を見つめる。その赤い瞳で。
「…後悔しても、知らない…からな」
「しねーよ」

END