学校帰り。突然の雨で、宏海の家で雨宿りをすることになった。
太臓はというと、一緒の傘に入れてくれる女子を探すらしく、一人で学校方面へと行ってしまった。
とりあえず濡れたままではよくないと、悠の分も着替えを用意したわけだが…。

「なんだ。少しは反応したらどうだ?」
「どう反応しろと?」
男の裸を見て、興奮する男がどこにいようか。
ボタンを全部しても、肩が抜け落ちそうなほど悠にとっては大きい宏海のシャツ。
半袖のシャツなのに、肘まで隠れてしまい、裾は膝の近くまできている。
宏海の反応が面白くない悠は、胸元をチラつかせながら宏海に詰め寄った。
鼓動が早い。なんだか悠が女に見えてくる…。宏海は居たたまれなくなり、視線を背けた。
すると、横から細い腕が宏海の頭に向かって伸びてくる。
「目を逸らすということは、意識してるんだろ?」
身長差のある二人は、悠が立っていても宏海の座高と同じくらいの高さだ。
宏海の頭を包み込むように腕を回し、そっと額に口付けを落とした。
生暖かい感触。ボタンの隙間から桜色の突起が見えた。
「お、い…」
髪にキスをしながら、腕に少し力を入れた。
身体が固まる。宏海は悠を振り払うことができなかった。
顔が熱くなってるのがわかる。いつもいつも、焦るのは俺だけかよ…。

面白くねえ。

宏海は、隙間らか見える目の前の突起に舌を伸ばした。
「んっ…、」
それに触れた瞬間、悠は身体を震わせ、表情を歪ませた。
それに気づいた宏海は、さらにそこを舐め回し、夢中で貪った。
歯を立ててみたり、吸ってみたり、キスしてみたり。
悠が逃げられないように、背中に手を回して。
最初は宏海から離れようとしていたが、この体格差では振りほどけない。
代わりに宏海の頭に回した腕に力を込め、快感に耐えた。
声を抑えてはいるが、それでも甘い声が留めなく漏れた。
「こ、うみ…」
悠の腕から力が抜けてきたところで床に押し倒し、今度は唇を重ねる。
まるでさっきの真逆。今度は悠の方が頬を朱く染め、息をあげている。
口の端から流れ出た唾液を舌で舐めとってやると、悠は目をかたく閉じ、身体がぴくりと動いた。

「悠」
「ん…」
名を呼ぶと悠はうっすらと目を開けた。
顔中キスをおとしながら、宏海の手がゆっくりと降下していく。
ワイシャツの下に手を忍ばせ、悠のものに触れてみる。
すでに力をもったそれは、先端から透明な蜜を出していた。
そこを優しく揉むと、悠は身体をくねらせ、高い声を上げる。
「ひ、ゃあ…っん」
「お前さっきから反応エロすぎ」
「だっ…て、…あッ」
そんな声出されたら、我慢しろっつー方が無理だ。
指の力を少し入れて、今度はやや強めに揉みあげてみる。
「っ…はぁ…こ、み…っ」
「すげー濡れてんな」
「ぁ、あ…そんなに…強、く…っ」
苦痛と快感にまみれた顔。
目から零れ落ちた雫を舌で舐めとってやる。

普段何をしても、何を言っても全く表情を変えない悠。
それが今はどうだろうか。
紅に染まった頬。
溶けてしまいそうな瞳。
露出された真っ白で滑らかな肌……。
宏海をあおるには十分すぎる光景だった。
「…うみ、や、め…っ」
「無理」
「…っ!」
言うと同時に、悠のものをパクリと口に含む。
夢中で舐め回し、手と歯を使って刺激を与える。
悠は吐き出しそうになる快感に、必死に堪える。
悠の目尻からは、再び涙が滲み出ている。
「も…、やめろ…っ…」
「無理だっつっただろ。受けてやるから」
「…あぁッ」
強い愛撫に耐え切れず、悠は宏海の口内に熱を放った。
「あ、っ…はぁ…」
疲労にまみれた悠の額に小さくキスをする。
「俺の番だな」
口角をあげる宏海。諦めたように悠は目を閉じた。


*****


「…バカ」
「最初に誘ったのはお前だろ」
「バカ」
「……嫌だったのか?」
「……」
そんな真剣な顔で言われると、なんて言えばいいのかわからない。
別に嫌じゃなかった。むしろ……。
事実、心の奥底では自分も宏海を欲していたし、宏海の言うとおり、誘ったのは自分だ。
「悠?」
「嫌なわけじゃ、ない…」
困ったように宏海から視線をずらすと、いきなり抱きすくめられた。
「こ…」
「悪かったよ」
「…?」
「無理矢理やっちまって…」
「……」
「だけど…俺も一応男なわけだし…」
「…わかってる」
「え…」
「それだけ俺に、夢中だったんだろう?」
「っ!!?」
いつもの無表情で、だがどこか意地の悪い感じに悠が問うた。
そんな悠に心臓が跳ねる。頭を掻きむしりながら、
「そうだよ…っ!」と吐き捨てるように言い、今度は宏海が視線をそらした。

ああ。いつもの宏海だ…。

悠はそっと宏海に寄り掛かり、小さく笑った。
「次はもう少し加減することだな」
「お、おぅ…」

END