再び…

やはりいつ来ても不気味な場所だ。上を見上げれば、空なのか煙なのか赤紫の渦のような ものが何箇所にかある。
「悠はさ、宏海のことが本当に好きなんだよ」
「なっ!」
「悠からも言われてんだろ?」
「……」
不意に悠とのキスを思い 出す。あの悲しそうに笑った顔も…。冗談だと思ってた。また俺をからかって遊んでいる んだ、と。だが、あの悲しげな悠の顔が。太臓の真面目な顔が。真実だと物語っているかのようだった。
「宏海は」
「は?」
「宏海は悠が好きか?」
「俺、は…」
言葉が出 てこない。しかし太臓はそれ以上聞いてはこなかった。そして気付けば目の前には、以前 も見た大きな城が佇んでいた。広い廊下。不気味なほどに静かだ。小さなドアの前で太臓 の足が止まり、こちらを振り返る。
「ここ、悠の部屋」
「……」
「逢って やってくれよ」
「お、お前はどうすんだよ」
小さくにこりと笑って、王室に行っ てるから、とだけ言い残し、太臓はその場を去った。ドアと向き合い、息を呑む。そっと手の甲 でドアをノックすると、 はい、と短く返事が返ってきた。間違いない。悠の声だ。ガチャリとドアを開け中に入る と、目を真ん丸くした悠がいた。
「宏海…!?」
「悠…」
「ど…して…」
「太臓が俺を呼びに来たんだ」
「……」
宏海から目を逸らし、俯く悠。同じだ。あの時の顔と…。近付こうと歩み寄る。 すると悠の体が一瞬震えるのがわかった。それが妙にショックで、宏海は顔をしかめる。 と同時に悠の腕を強く引き、強く強く抱きしめた。最初は「やめろ」と抵抗していたが、 段々にその手の力は弱まり、宏海の背中へと回された。
「どうして…いきなり帰ったんだよ…」
「……きだから…」
「?」
「宏海が好きだから…」
悠の手に力が込もる。
「一緒にいると、その気持ちが大きくなる一方なんだ」
「……」
「気持ち悪いと思われると思った…でも、拒絶されたくなかったんだ…」
だから一緒にはいられないと…?
「バカ…気持ち悪かったらこんなことするかよ…」
悠を抱く腕に力を込める。悠の匂いがした。すごく懐かしい気がする。 そっと悠の頬に触れ、そのまま顎に手を添えた。二人の唇が重なる。 水の音が部屋中に響き渡り、妙に卑猥に感じる。時折漏れる悠の甘い吐息に、自信の 中心が熱くなるのがわかった。
「ん…っ、ふ…」
「悠…」
ベッドに流れ込み、悠を組み敷く。服の上から探るように体を撫で触った。ゆっくりと降下していき、刺激す るかのように股間付近を行き来する。その間も宏海の舌は悠を求め、口内を犯し続けた。
「ぁッ…」
悠のものが力を持ち始め、布を押し上げる。そこが濡れ始めたところ で、宏海は服の中に手を忍ばせ、直に触れた。悠の口から甲高い声と吐息が漏れ、その声 に欲情した。
「っ…、こぅ、…み」
「ん…」
ベタついた手を、見せ付けるように少し舐めた後、無言で悠の目の前 に差し出す。ぬるりとした感触が唇に当たり、無意識のうちに舌を伸ばす。最初は舌を突き出してちろち ろと舐め、後になるにつれ、しゃぶるようにチュパチュパと舐めた。
「エロい奴」
「ん…、それはお前じゃ、ないのか?」
「そう思うなら、この先何をされても文句言うなよ?」
二人はくすりと笑い、室内には再び甘い吐息が響き渡った。

*****

「悠!入るぞ〜?」
「…王子」
「 上手くいったみたいだな」
「王子もお節介なことをされますね」
そんなこと言ってる割に、悠の顔は嬉しそうだ(俺にしかわからないだろうけど)
「宏海は実界に帰ったぞ」
「そうですか…」
「もちろんお前も戻るよな?」
「……」

はい。

まったく。世話のかかる奴だなあ。でもお前には幸せになってほしいんだ。 悠が俺をいつも幸せにしてくれるから、今度は俺の番なんだ。

 2

元々に書きたかったものと違う物が出来上がりました(笑