「ヴィラル?まだ起きてる?」
薄ぐらい牢屋の中に、高いの声が響く。
自分と同じ縞模様の囚人服を着た女。
俺を庇い、政府の奴らに反抗したために一緒に連れて来られた女。
「ああ。お前こそ、まだ起きてたのか?」
「うん。ここは穴の中と違って居心地が悪いよ」
暗さや狭さは同じでも、穴と牢屋では全然居心地が違った。
ここは寒いし、冷たいし、なんだか淋しい所だ。

「…っくしゅん」

辺りの壁を見渡していると、小さなくしゃみが聞こえた。
に視線を向ければ、身を縮めて丸くなるような体制をとつていた。
ここ寒いね、と手を擦り合わせる。
その指先は白く、爪は青紫に変色していた。
ラルは獣人なので、多少の寒さは気にならないが、
人間であるにここの寒さは、少々辛いようだ。
「寒いのか?」
「ちょっとね、でも大丈夫だよ」
笑顔で返すが、どうみても辛そうな顔にしか見えない。
、ちょっとこっちに来い」
呼ばれるままにはヴィラルに歩み寄る。
何?と前屈みになった時だった。
腕を勢いよく引っ張られ、バランスを崩した。
そして気が付けばはヴィラルの腕の中に納まっていた。
「あ、ぁの…」
「体が冷え切ってる。我慢なんてするからだ」
「重くない?」
「…しばらくこのままでいろ」
「…うん」
ありがとう。そう言った気がしたが、はそのまま顔を埋めて寝てしまったようだ。
の体は冷えているが、とても温かくて気持ちが良かった。
の寝顔を見ながら俺も寝るとするか。

END