届かない

雨に打たれながら、公園で一人の少女が泣いている。
「悠…」
そっと近付くと、 その少女、が顔を上げた。
「私…失恋しちゃった」
苦しそうに笑顔をつくって る。
雨でわかりにくいが、確かには泣いていた。
そう…今日は宏海に矢射子という彼女ができた日だ。
学校では普通に笑顔で振る舞っていたのに。
本当は、そんな顔になってしまうほど辛かったのか?
の前に立ち、頭の上に傘を差し出した。
「ぅ…っ、…悠…っ」
俺に飛び付き、泣きわめく
どうしたらいいのかわ からなかった。それでも、俺の体は勝手にを抱きしめていた。
「俺じゃあ…ダメか?」
宏海が好きなのはわかっている。だけど俺はが好きだ。
だがは何も言わず、強く俺の服を握りしめただけだった。