紅い目

「ねぇ、太臓が悪魔の王子ってホントなの?」
「ああ、知らなかったのか?」
「王子様だってのは知ってたけど…」
”悪魔”ってのは知らなかったわ…。
あのおにぎりが、どうやったら悪魔に見えるというのか。 そもそも王子にも見えない。
「ん?ってことは悠も何かの間界人なの?」
「ああ」
「なになに?!何の間界人なの!?」
「何だと思う?」
「ん〜」
顎に手を当てて、下から上へとじっくり悠を見る。やっぱアレだ。頭のアレ。
あの形が気になるんだよね。きっと原型があんな感じに違いない。
「猫でしょ!!」
人差し指を立て、自信満々に叫ぶ。あの頭の突起は猫耳な名残だ!
そしてあの黒くて大きな目は猫の目を連想させる。
間違いない!ハロウィンでも猫のコスプレしてたし!!
悠は猫の間界人に違いな…
「はずれ」
「え…!?」
絶対当たったと思ったのに!!猫じゃなければ…何?!
一人で頭を抱え込んでいると、隣から溜め息が聞こえてきた。
ちょっとムッときて、そちらに目線を向けてびっくり。
悠の姿がみるみるうちに変わっていく。何だか…雰囲気が怖い…。
「これでわかるか?」
「…蛇?」
「そうだ」
確かに悠のイメージと蛇は近いかもしれない。寒がりで冷たい肌。
睨まれると動けなくなる目。そういえば靴や携帯も蛇柄のものを使っていた。
「……」
「怖いか?」
悠に肩を触られて、ビクリと体が震える。悠は大好きなのに。
蛇が大嫌いなわけじやないのに。その目が…真っ赤な赤い目だけが怖い。
止めようとしてるのに、体の震えが止まらない。
太臓の時は全然平気だったのに。 突然、の肩から手が離れる。
「悪かったな…怖がらせて」
「ゆ、う…」
ゆっくりとまた人間の姿に戻っていく。
だがまだの震えは止まらない。
…」
頬に手を伸ばし、そっと唇を重ねる。
「嫌いになったか?俺のこと」
「……」
頬に添えられた悠の手を握り締め、そのまま悠にもたれ掛かる。
「そんなわけ…ないじゃない」
悠はほっとしたような様子での頭を優しく撫でた。
「ちょっと怖かったけど、嫌いになんて絶対ならないよ」
「よかった。俺にはしかいないからな」
顔を合わせて微笑み、二人は再びキスをした。

END