「どこが?」
目の前の少女に尋ねてみる。
自分が怖くないのか、と。
確かに普通に考えれば怖いと答える人はいないだろう。
だけど僕は普通じゃない。間界人だ。狼の。
狼になった僕は自分自身、どうすることもできない。
ドラクロワがいなければ、とうに数百人は襲っているだろう。
今僕は、の前で狼になった。
を襲おうとした。
だけどはそんな僕を受け入れた。
「だって仁露は仁露でしょ?」
確かにそうだけど、全然違う人格だ。
「なら、どんなになっても私は仁露が好き」
今までそんな風に言う人なんていなかった。
「それとも、仁露は私が嫌い?」
初めてだ。僕を怖がらなかったのは。そして…
「とんでもない」
そっとを抱き寄せる。
も安心したように仁露の胸に顔を埋めた。<

そしてこの気持ちも初めてだ。
こんなに人を好きになったのは。

END